話の枕は面倒だから書きません。サッカーの今シーズンオフは凄いことになっている。ビジャまで取るってどういうつもりだろう。
さて、今回の移籍騒動の特徴は以下の点に集約されます。
(1)オフが始まってすぐに大型移籍が繰り返されている。
(2)一つのクラブ(レアルマドリー)が突出して動いている。
(3)金の出所が見えない
(4)ワールドカップの前年のオフである。
この四つが四つとも非常に珍しい特徴で、驚きに値するわけですが、この現実を見て、色々な利害関係者が色々なことを言っています。彼等はほとんど自分の利益を代弁出来る様に適当なあり合わせのロジックをつなぎ合わせているだけで、分析とは到底呼べないものばかりです。
「移籍金が高騰するとマーケットが壊れる」とか「シンボルの移籍は良くない」とかそういう話は、要するに買う側、ないし売る側が自分の思うとおりの展開にならないことに腹を立てて適当なことを言っているだけで、それを丸呑みして報道しているサッカーメディアの惨状は見ていて本当に情けない。
今回の移籍騒動の問題点は、以下にある。
(1)移籍金の高騰は問題ない(サッカーの世界でお金が回るだけなら問題ない)が、代理人へのキックバックや、代理人の取り分の「比率」が増えているのではないかと懸念されること。これらはサッカー世界から外側へのお金の動きなので、懸念される事態である。
(2)金の出所が分からない移籍金の高騰は(チェルシーの場合はアブラモビッチの懐からだったので良かったが)、ファイナンス・コントロールに失敗したクラブの経営破綻が懸念される。クラブオーナーは割と経営能力のない人が多いので。
(3)チケット代に移籍金の高騰が反映される可能性がある。(本末転倒だが、既にこの10年で起こっている)
(4)選手の年俸の高騰。これは移籍金の高騰よりもダイレクトにサッカー世界からお金が流出することになる。給料の高騰から、契約更改に失敗し、フリーで選手が流出し、降格し、破産するという中小クラブが出てくるのが一番怖い。ロナウドの給料はラウールの二倍。あり得ない。
最早ファンからお金をかき集める&広告収入を増やすというビジネスモデルはサッカーの世界で飽和している。さらにアジアツアーなども選手の怪我を誘発するおそれがあるので、出来ない。従って、ラディカルな収入増加は見込めない状態である以上、今回の移籍騒動はサッカー界にとって長期的にマイナスの可能性がある。
しかし、それは今メディアによって言われている様な理由ではなく、代理人の不正利益の問題や、選手の給料の高騰、中小クラブの破産、チケット代の高騰といった問題に関わっているのである。
バルセロナやアーセナルが「マーケットを壊す」と現状を批判しているのは、彼等が選手を買いたいが故に「政治的に」発言しているだけであって、ちゃんとした理屈の裏付けがあるわけではない。むしろ彼等も買う側である自分たちの理屈を自己中心的に正当化しているだけであって、特段彼等が道徳的であったり、良心的であったりする訳ではないことは心しておかなければならないだろう。
2009年06月19日
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