2009年06月08日

僕のご近所さんの事情<韓国料理屋>

うちの家から徒歩一分から二分の所に24時間営業の韓国料理屋がある。名前はあるけれど、僕は覚えられないから分からない。この韓国料理屋、別に滅茶苦茶美味しいわけではないんですが、やみつきになるお店なんです。

そもそも僕の住んでいる街は、韓国人街としてはやや古く、移民二世、三世の人が多い様に見受けられます。そして、これは一様に言えることですが、移民コミュニティは母国の文化をconcervativeに受け継ぐ傾向にあります。なので、移民二世の人たちを見ていると、今の若い韓国人よりも、礼儀正しく儒教的にお堅い印象を与える人が多いのです。そんなことがこのお店に行くと良くわかります。

この韓国料理屋に行くのに最適なのは、土曜日、ないし日曜日の午前中、お昼ご飯の前です。50代くらい、ないしそれより少し若い位のおじさん達がぐでんぐでんになるまで飲んでいることを見かけるのも珍しくない。この飲みっぷりが、熱い。24時間営業の店なので、朝から来て飲んでいるのか、それとも夜通しで飲んでいたのか分からないのだが、もうスゴい飲みっぷりで僕も引いてしまうほど。資料映像で見たことのある、日本の昭和三十年代ないし韓国の80年代を思い出させる飲みっぷりです。

お店の人も、「いい加減にやめなさい」とかしかりつけながらお酒を出していて、全然資本主義化してないのがまた面白い。利益をあざとく狙うお店が多く、食べ終わってテーブルで話していたりするとすぐに「他になにか要りませんか?」とプレッシャーを掛けられることが多いNYCでは、こうしたお店は奇跡的存在です。

ちなみに、店の料理は小皿料理がまぁまぁで、チゲがまぁまぁで…という感じで特段強調点のないお店なのだが、独り身の僕としては食品目を手軽に増やせるお店として重宝している。しかも、昼ご飯時に行くとチップ込みで10ドルに達しないという、この意味でもNYCでは奇跡的存在なのである。

それはさておき、韓国人は日本人と異なり、定住を目的として移住者・移民者がアメリカに大変多く、僕のアパートで暮らすおじいさんおばあさん夫婦も、恐らく移民第一世代である。ここで子どもを作り、コミュニティで助け合いながら、続く世代の移入の地盤を築いた人たちが僕の回りには多いのである。日系人は第二次世界大戦で対戦国になったせいもあり、戦後の移入者は多くない。むしろもっと古い、20年代頃までの移入者が主流である。

恐らくNYCの韓国コミュニティでも世代間ギャップは深刻なのだろうが、いずれにせよ相変わらず強いコミュニティの紐帯の下でこの国で民族的に成功を収め様としている韓国人たちを見ていると、いやいやなかなか逞しいものだなぁと感心することも少なくない。

同時期(50-60年代初頭)の日本人は南米を中心に移民したが、日本政府の杜撰さもあって成功例は多くない。母国で食えなくなって、あるいは閉塞してきて、一発逆転で移民をしてきた「やむなく取ったリスク」(金持ちになりたいとか、目立ちたいとかではなく)を引き受けて生きてきた人たちの顔を毎日の様に見ると、なんだか僕は少し身の引き締まる思いである。
posted by よしき at 19:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑記帳 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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